駄目人間逹 の Wall Of Death

鬱患者の駄目人間が好きな音楽のコトをダラダラ綴るブログ

Would? / ALICE IN CHAINS 神経質そうな爬虫類

Dirt

 

オルタナ、グランジが続く。1990年代の潮流は突然現れた変異種ではなかった。1980年代にも存在し作品を発表していた原石が、同時多発的に次々と輝きを増したのだった。彼らは音楽性を変えたのではない、磨きをかけはしたけれど。1990年代を語る時に、最も個性的なアルバムをわたしが選ぶとすれば、この「DIRT」かなって思っているんだ。このアルバムを初めて聴いた時のコトはよく覚えている。

アルバム全体を貫くのは「上品な暗さ」だと思うんだよね。演奏自体はわたしが慣れ親しんでいたメタルの方法論とさほど違わない。ヘヴィでラウドなロック、と言葉にすればあまりにチープだけど、歌を含めたアンサンブルが唯一無二の個性を表現していると思うんだな。変拍子も多い。

歌メロにまずはヤられた。前作からこの味わいはあったものの、本作では更にハーモニーが練られていて、物悲しいくも鋭さも隠し持ったイメージが次々と繰り出される感じ。更に「ここでそうくる?!」と感じさせられるような、意外ない展開が随所に現れる。 コレがたまらない。

また歌メロと合わせて、レイン・ステイリーの声が超個性的。低音から中音域は、独特の響き方をする。ハイトーンではないながらもなかなか高い音も出せて、激しく歌うコトもある。だのになぜかわたしは、いつも冷たさを感じる。冷たさというか、虚無感というか、覗いてはいけない深淵に流れる歌声とでもいえばいいのか、筆舌に尽くしがたいネガテイブなバイブスを感じてしまうのよね。なのに繰り返し聴いてしまうのはなぜか。それこそ、音楽が持つ不思議な力、としかいいようがない。あと音に全く関係ないけど、レイン・ステイリーの神経質そうな爬虫類顔がわたしは大変好みだ。

この曲はアルバムの最後に収録されている。もし少しでも気に入ったなら、是非アルバムの最初から最後まで聴いてもらいたい。本当にとんでもない作品なの。あとこの曲は、映画「シングルス」にも提供されたんだよね。恋愛についての群像劇ながら、シアトリカルな場面や設定が多く、オルタナ、グランジのファンは必見作品。サントラがそのテのアーティストだらけで、オルタナ、グランジのサンプラーとしても質が高いと思う。一家に1枚的な。

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