駄目人間逹 の Wall Of Death

鬱患者の駄目人間が好きな音楽のコトをダラダラ綴るブログ

Repentless / SLAYER トム・アラヤのヘッド・バンギングがなくても

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SLAYERを今更ながら紹介する。スラッシュ・メタルBIG4なんて言葉も随分と古い単語になってしまった印象。かつて80年代の初頭、過激な音楽の地平を切り開いたアーティスト達がいた。彼らは音楽性を進化させ時代と寄り添いながら或いは抗いながら、今でも現役で作品を創り続けている。SLAYERもそんなアーティストなのだけど、彼らはとにかく頑固一徹スラッシュ職人とでもいおうか、そのスタイルをほぼ変えるコトなく、奇跡的に高品質な作品を生み出し続けてきた。

スラッシュという過激でかつ過酷な楽曲世界を、30年に渡ってプレイし続けるコトのなんとタフなコトか。こんなもの音楽じゃないと罵倒されたデビュー当初から、彼らは既にSLAYERだったし、今もそっくりそのままSLAYERなんだよね。HR/HMの世界に限らずこういう奇跡的なコトは創作の世界で度々起こる。つまり、あまりに個性が強い創作者は、未熟な段階で既に完成度が高いというコト。時代の流れや商業的成功との距離から、ベストな状態で創作されていなかったにも関わらず、時代やカテゴリ、既成概念を突き破ってプレゼンスを発揮する。

あの速いSLAYERは今でも速い。アルバム音源での殺傷能力ももちろん高いのだけど、これがLIVEになると更に速く、激しく、攻撃的になるんだから、もうなんだかワケが判らない。唯一変わってしまったコトといえば、オリジナル・メンバーであった、ギタリストのジェフ・ハンネマンはもうこの世にいない。あの、明後日の方向にカッ飛んでいくイカれたG・ソロを生演奏で聴くコトが出来なくなってしまった。あの時はショックだったな。

この曲は現時点最新作、11thアルバムからのタイトル・トラック。正直いって、SLAYERは本当にいつの作品を取り出してもSLAYER印のサウンドなので何を紹介するのか迷った。まだまだ名曲があるから取り合えず、一番新しい彼らを紹介しておこうと思ったんだ。髭だらけになったトム・アラヤが、カッコいいおじいちゃんになっててしびれる。ちなみに彼は、長年過酷なヘッド・バンギングを続けていたために頸椎をヤってしまっていて、今は1mmも頭を振れないそうな。

 

SLAYERは、死や精神異常といった、とても過激でショッキングなテーマを扱うコトが多い。ナチスを扱った歌詞が問題となってアルバムが発売禁止になりかけたり、アルバム・ジャケットがキリスト教を侮辱しているとして差し替えられたりもしてきた。彼らは様々な極限状態の人間について表現しているけど、その状態を決して礼賛しているわけじゃない。むしろそうした人間の醜くどす黒い部分に光を当て、そこから目を逸らすなと訴えているように感じる。やり方は少々キツ目ではあるけども。

ところでわたしはSLAYERのLIVEを生で観たコトがまだ一度もない。アルバムを発表しさえすれば、概ね日本公演を行ってくれている彼らなので、長年ちょっと油断している。でもそうした油断から、わたしは遂にジェフのギターを聴くコトが叶わなくなってしまった。だから、次の来日は絶対いこうと思う。

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