駄目人間逹 の Wall Of Death

鬱患者の駄目人間が好きな音楽のコトをダラダラ綴るブログ

5 Minutes Alone / PANTERA ダレルのギターが地平を切り開いていた

Far Beyond Driven (20th Anniversary Edit

PANTERAは随分と前に解散しているバンドだ。そして再結成はありえない。何故なら、オリジナル・メンバーであるギタリストの、ダイムバック・ダレルが既に他界しているから。彼はPANTERA解散後に結成したDAMAGE PLANというバンドでのLIVE中ステージ上で、ファンの銃撃によって射殺された。この時のコトはよく覚えている。大好きなギタリストだったので、深い悲しみに囚われたし、ショックだった。多くのミュージシャン達が哀悼のコメントを残していた。本当に大きな喪失感を感じた。

PANTERAの他メンバーは、今でもそれぞれで活動している。わたしは、どれも追いかけていて、それなりに気に入っていたりもするけど、やっぱりPANTERAを超える作品には出逢っていない。

この曲は彼等のデビューから7作目のスタジオ・フルレンス・アルバムに収録されている。6thアルバム「Vulgar Dispray Of Power」の大ヒットを受けて、注目度が上がりきったところでの発表だった。6thのリーダー・トラックであり大ヒット曲の「Mouce For War」をはじめ「Walk」「This Love」などの名曲揃いだったのだから、次作はどんなコトになってしまうのか?という期待と不安はピークを迎えていた、と記憶している。セールス的な結果でいうならば、本作「FAR BEYOND DRIVEN」は全米1位という快挙だ。この音が1位を獲得した時の衝撃、違和感ったらなかった。いやとにかく手放しで喜んだんだけどね。

その「売れた」背景には、前作にあたる「Vulgar~」の異常に高かった完成度が大きく影響していたのは間違いないと思う。モダン・ヘヴィネスなんて言葉がメタルの地平を切り開いていく最中、正にフラグシップ的な存在感を放っていた。

そして遂に発表された本作を聴いて、またわたしは血液を逆流させるコトになる。

5thアルバムから音楽性をガラリを変えた彼等なんだけど、その「勇気の証」の一つに、苛烈なリズムの強調が挙げられると思う。ギターもベースもドラムも、とにかくアタックを過度に強調する音作りなのね。そしてこの7thアルバムでもその音作りは引き継がれている。

「5 Minutes Alone」

是非聞いて欲しい。この異常なリズムの粒立ちを。特筆すべきはやっぱりバスドラムのキック音じゃないかな。彼等がこの音像に到達し発表して以降、こんな音のドラム・サウンドがメタル界に溢れかえった。PANTERAが初めて創り出した音ではなかったけど、これほど影響力を獲得した上で表現出来たのは、彼等が最初だったと思うんだ。

ギター・ソロへの展開などは何度聴いても鳥肌がスタンディング・オベーションをしてしまう。また、LIVE性を重要視して、ギター・ソロのバッキングをダブリングしない決断も潔くて最高だと思う。
この曲、アルバム全体の中では実はかなりおとなしい方というか、落ち着いた作風。本アルバムにおけるその他の曲は、メタルというよりもむしろハード・コア・パンクの世界観に近い印象で、そのコトにも当時は驚いたものだった。ただ、リズムやサウンドの工夫、アイデアはとにかく独特で、個性の塊であるコトは間違いない。また彼等は最後まで、自分達はヘヴィ・メタル・バンドだといっていた。

ダレルのギターは、もう二度とLIVEで聴くコトができない。とにかくそれが残念でならない。

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