駄目人間逹 の Wall Of Death

鬱患者の駄目人間が好きな音楽のコトをダラダラ綴るブログ

The World Is Yours / ARCH ENEMY 今一番キているメタル・バンドだと思う

Will to Power

METALLICAでメタルの大陸に踏み込んだわたしにとって現時点で最高峰は間違いなくARCH ENEMYだと思う。このアルバムは彼等にとって10枚目のスタジオ・フルレンス・アルバムで、3代目のヴォーカリストであるアリッサが参加して2枚目の作品にあたる。日本の三代目とはえらく違う。

 わたしはこのアルバムを初めて最初から最後まで聴き終わった時、ついにメタルはここまで来たのか、と思った。バンドのリーダーであり、メイン・ソングライターであるマイケル・アモットのギタープレイは、凄まじく個性的だと思う。 

判りやすい表現を使うならば、急転直下、かな。

攻撃性と抒情性がこんなにも極端なコントラストを持って、しかし調和し、成立しているバンドはありそうで意外とない。近年の作品では初期の攻撃性が減退してしまったと評する向きもあるようなのだけど、わたしはそうは思わないな。初期の作品も大好きだし今でも幾度となく聴いているけれど、アルバムの完成度という意味では明らかに現在の彼等がピークだと感じるし。

曲展開やメロディ(ギターの)成分の含有率など、マイケルがやろうとしている音世界は明らかにデス・メタルという枠に収まりきるものでは到底ないし、挑戦的な実験を恐れず投入するその姿勢に、胸のすく思いなんだ。本来的に、規制概念の破壊や、社会に対する怒りの発露というものが、エクストリーム・ミュージックの駆動力だと思う。ARCH ENEMYは怒りという部分で、曲によっては哀愁という形に転化されていたりもする。そのコトについてわたしは音世界の拡大として捉えているけど、デス・メタル原理主義的には異端視したのも理解できる。

彼等の出自があくまでデス・メタルだったのからそう思われても仕方がないけど、1stアルバム「Black Earth」の時点でとっくに彼等の音は異端だった。

それこそ、1曲目から急転直下だった。

その曲はまたいずれ書くとして、ともかく彼等の作品は最初ったら目指していたゴールが非常に高い位置にあったんだよね。ギター・ヒーロー、マイケル・シェンカー(以降シェンカー)直系の流麗なメロウが、マイケル・アモットの武器の一つ。しかしマイケルの叙情性は、シェンカーのソレに比べて明らかにハイクオリティである、いや簡単にいえばより「クサい」のよね。

もちろん時代性が違うので単純比較できるものではないのだけど、少なくとも「やりたいコト」のフィールドは、マイケル大陸が圧倒的に広大。さてそのクサいという表現だけど、なかなか知らない人に説明するのが難しいニュアンスなんだよ。曲を聴いてもらえば判るかと思うんだけど、時折突如滑り込んでくるギター・オブリガートの哀愁を帯びた美旋律のコト、なんだけどね。方法論としては、演歌に近いと思うな。

この展開の後に、こんなメロウなバッキング入れちゃうの?!大丈夫?!とか思っちゃう感じ。コレがただ無作為に切り貼りした感じなら誰でもできそうなものだけど、それらが融合している様は意外に創り出すのが難しいと思う。技術的にもメンタル的にかなり難しいと思う。瞬時にリズムやプレイヤの感情を差し替えるわけだからね。

この曲を聴いてもし悪くない感触を得られたんだったら、是非アルバム単位で聴いてみて欲しい。そして更にアルバム単位でも悪くないと感じたのなら、前作「War Eternal」も聴いて欲しい。この前作でアリッサが始めてARCH ENEMYでレコーディングしたんだ。 ちょっと荒削りな、それでも独自性の強い個性を感じられると思う。

今後の彼等に要注目ね。

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